ドミノミクス(Dominomics)

Notes/Dominoに関わる様々な話題を提供することで、Notes/Domino+αの活性化を目指します!

Don't think, feel!(考えるな、感じろ!)

IBM Think Japan 2018が開催、今年最大のIBMイベントだけあり大盛況でした。「THINK」はIBMが好きな言葉ですよね。ウィキペディアによると、『"THINK"(シンク:「考えろ」の意)は、トーマス・J・ワトソンが、ナショナル・キャッシュレジスター・カンパニー (NCR) の営業・広告本部長だったときに述べた「開闢以来、考えることはあらゆる前進を生み出す源だった。』とあります。つまり、「THINK」はIBMのモットーであり、ノートパソコンにThinkPadと名付けたこともあります。そんな意味深いTHINKですが、私はあえて「Don't think!」と言いたいと思います。

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IBM Think Japan 2018のキーワード

IBM Think Japan 2018の全てのセッションの紹介文をキーワードに分解してカウントしました。2回以上登場したキーワードを表示し、1回のみは「その他に」分類、人工知能はAIにカウントしています。集計の結果「AI」と「クラウド」関連に最も力を注いでいることが読み取れます。

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キーワードがら感じたこと

Notes/Dominoに関連するキーワードは1つもなく残念でしたが、イベントの性格を考えると仕方ないかもしれません。それでも、AI、コグニティブに関連して「IBM Verse」くらいは欲しかったです。ちなみにMicrosoftの類似イベント「de:code 2018」(若干毛色は違いますが)でも、キーワードの傾向はほぼ同じすが、少ないながら「Office365」のキーワードが3つありました。やはり、1つでもNotes/Dominoに関連するキーワードが欲しかったというのが本音です。

 Don't think, feel!(考えるな、感じろ!)

 「Don't think, feel」これはブルース・リーの有名な台詞で、彼の思想を端的に表す言葉です。人間の行動原理は、感情7割、論理3割と言われており、論理がNoでも感情がYesと言えば人は行動します(逆も然り)。これをうまく利用したのがMicrosoftのトップアプローチ戦略ではないでしょうか。「まだNotesで大丈夫?」と不安を煽ると同時に「MSなら明るい未来が開ける!」と感情に訴えます。すると、いくら論理的にはNotesが優位であっても、感情でMSに負けてしまいます。つまり、MSはfeelの使い方がとても上手いのです。それに比べてIBMはThinkに拘るせいで、feelの使い方が下手です。プロモーションで重要なのは「自分がどう考えたではなく、相手がどう感じたか」です。いくら良い製品でも、相手に響かなければ意味がありません。もっと言うと、IBM自身がfeelに鈍感な気がしてなりません。これだけNotes離れが進むなか、ユーザーやベンダーの悲鳴をIBMは真摯に感じてほしい限りです。

Thinkもう一つの意味

Thinkには"考える"の他に、"思う"という意味があります。"考える"というと、堅苦しいイメージですが、"思う"には人間味があります。私の勝手な感覚ですが、最近のIBMは、"思う"に傾いてきているように感じます。Think Japan 2018で基調講演の司会を務めた大西氏は、固いIBMのイメージを壊そうとしているそうです。また、IBM Cloudに関わるセッションでは、Azure、AWSとの比較優位性の説明がありました。これまでのIBMは公の場での他社比較はご法度 でしたが、これは紳士的な考えに囚われていたからでしょう。しかしユーザーに響くのは、ずばり他社比較です。ここにきてIBMがユーザーの感覚に近づいてきたのは大きな変化ではないでしょうか。人を動かすのは「感情」や「思い」です。IBMにはユーザー感覚を重視した戦略の展開を期待したいです。