ドミノミクス(Dominomics)

Notes/Dominoに関わる様々な話題を提供することで、Notes/Domino+αの活性化を目指します!

Notesで攻めのITを実現しよう!

前回の投稿で、今Notesに必要なことは「守りより攻め」と強調しておきながら、具体的な例が無かったので、実例を示して欲しいと多くの人からコメントをいただきました。個人的な意見では、Notes/Domino10という新バージョンが最大の攻めです・・・が、これは私がどうこうできることではないので除外します。もう一つの攻めの事例として、最近急激に導入が進んでいるオンプレNotesとクラウドVerseのハイブリッド・クラウド環境について紹介したいと思います。

時代はクラウドファースト

今のご時世、クラウドを抜きにITを検討することはできません。そんな中、Notesユーザーの環境はオンプレミスがまだまだ大勢です。多くのNotesユーザーはクラウド化を検討しますが、アプリケーションを含むフルクラウド化はとてもハードルが高いことも事実です。そこでメール基盤のみをクラウド化する、オンプレとクラウドのハイブリッド移行が急激に進んでいます。

クラウドに何を求めるか

一言でクラウドと言っても、コスト、スピード、利便性、運用、セキュリティ、耐障害性など、その目的は様々です。その一方、クラウドは万能薬と言う訳では無いので、クラウド化自体を目的にすると思うような成果が出ないこともあります。例えば、クラウドはローコストという思い込みで移行を進めると、期待したサービスを実現できない場合があります。逆に、サービスの充実を図るとコスト超過となり、ローコストを実現できなくなります。ここで最も重要なことは、何を目的にクラウド化するです。誰もが、現状のサービスレベルは維持しようと考えますが、オンプレNotesが持つサービスレベルが高い為、同一レベルをクラウドで実現することは困難です。つまりクラウド化の目的をNotesの完全移行とすると、コストメリットを満足させるソリューションは存在しません。そのためクラウド化では、Notes完全移行を目的にするのではなく、クラウドのメリットを生かしたソリューションを目的にし、ある程度のNotes断捨離をする覚悟が必要です。しかしながらNotes断捨離による影響が大きすぎ、許容できない場合もあります。そんな時にお勧めなのが、メール基盤のみをクラウド化し、オンプレNotesは維持するというハイブリッド・クラウドです。

クラウドメールは何でも良いのか?

クラウドメールであれば、Notesに限らず他社製品でも実現することも可能です。事実アプリケーションはNotesを継続し、メールのみ他社サービスに置き換える事例もあります。しかし、この方式では二つの大きなデメリットがあります。一つは、ライセンスの2重投資。もう一つは、Notes環境との親和性の問題です。ライセンスの2重投資とはメールとアプリケーションで異なる製品を使えば、当然ライセンスも別々になるデメリットです。Notes環境との親和性の問題とは、Notes固有の文書リンクなどの機能や、ユーザー管理などを有効活用できないデメリットです。そこで、これらのデメリットをズバッと解決してくれるのが、クラウドメールをVerseに移行するソリューションです。この方式であれば、ライセンスの一本化とNotes環境の親和性を確保するだけでなく、オンプレのサーバーライセンスが不要となるおまけまで付きます。このメリットが浸透してきて、オンプレNotesとクラウドVerseのハイブリッド・クラウド環境への移行が急速に普及しています。

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クラウド利用に伴う安全対策

オンプレミスという社内のクローズドな環境であれば問題無くても、クラウドというオープンな環境を利用するのであれば、セキュリティを始めとする、様々な対策が必要となってきます。外部接続に伴うセキュリティ対策、デバイスやIDの管理、はたまたメールの安全性や訴訟対策など、オープン環境故の堅牢な防御が必要となります。ここでは具体的なサービスの紹介は割愛しますが、先ずは安全第一で守りを固めるのが先決となってきます。

クラウド利用に伴う攻めの対策

今回のテーマが「攻め」ということなので、先ずはメールのクラウド化で攻めを実現しますが、アプリケーションも攻めてみましょう。クラウドメールは、Web、モバイル対応となりますので、アプリケーションも同様の対策をしてみましょう。ここで考えて欲しいのが、NotesのWeb化対応です。10年以上前からNotesのWeb化について様々なアプローチがされてきましたが、なかなかハードルが高いです。ハードルが高い最大の要因は、Web化対応コストです。Notesクライアント廃止を目的として全機能をWeb化すると、かなりのコストがかかることから、現状維持という守りになりがちです。そこでWeb化のアプローチを、クラウドメール利用に伴うモバイル対応に視点を変えてみてはどうでしょうか。モバイル端末であれば画面サイズや入力の制限から、PCで利用するようなフル機能は不要となってきます。つまり、モバイル対応であればWeb化する機能を絞り込むことで、開発コストを抑えることが可能です。しかも、ノーツアプリケーションを簡単にモバイル対応させるパッケージ(smaconne)もあるので、より早く安くモバイル対応することもできます。

さらにWeb化で必要となるのが、Webコンテンツをまとめるポータルです。ポータルについても10年以上前から様々なアプローチがされてきました。しかし当時は、コスト面や、機能や見た目がいまいちで普及が進みませんでした。しかし最新のNotesポータルパッケージ(Liveness Portalは、お手頃なコストで機能と見た目を進化させており、これも普及が進んできています。

サードパーティー製品を活用した攻めのNotes

上記のように、Web化、モバイル化、ポータルにおいて、サードパーティー製品を利用することは最も効果的な攻めの対策の一つ言えます。さらに、Notes標準ではあまり評判の良くないグループスケジューラを圧倒的に進化させたパッケージ(OnTime)や、Web開発のプラットフォームを提供するモダナイゼーション対応製品(aveedo)など、様々なソリューションがサードパーティから提供されています。これらを積極的に活用することで、ワークスペースのDBアイコンをクリックするだけの従来のNotes活用から、活用シーンを拡張した攻めのNotes環境を実現することができます。

これまでは、ハードやソフトウェアのサポート切れに伴う消極的なNoteバージョンアップ対応が多かったかもしれません。しかしこれからは、Notesに新たな使い方を付加した攻めのITを実現してみてはいかがでしょうか。 

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