ドミノミクス(Dominomics)

Notes/Dominoに関わる様々な話題を提供することで、Notes/Domino+αの活性化を目指します!

Notesは人の為ならず

「Notesとは何ですか?」と聞かれたら「グループウェアです」と多くの人が答えると思います。では別の質問で「Notesのどこが好きですか?」と聞かれたら、何と答えますか?おそらく「グループウェアだから」と答える人はほとんど居ないと思います。これって少しおかしいと思いませんか?つまり「Notes=グループウェア=好き」が成立しないのです。何が言いたいのかというと、普通は、対象物の性質(本質)と、好き嫌いが一致しますが、Notesは一致しません。一致する例では、ケーキの場合は「ケーキ=甘くて美味しいもの=好き」が成り立ちスッキリします。逆に嫌いな例では「ゴキブリ=気持ち悪い=嫌い」となり、やはり一致します。ところがNotesはこの関係が一致せずモヤモヤしてしまいます。そこで今回は、何故Notesが好きなのか?という視点から逆引きし、Notesの本質について考えてみました。

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Notesのどこが好きですか?

皆さんはNotesのどこが好きですか?「開発が容易で便利なアプリが作れる」「多機能で使い易い」「オールインワンで運用が楽」「リッチテキストの表現力がすばらしい」という意見をよく聞きます。一方、グループウェアの特徴であるメールカレンダー掲示などの情報共有が好きという意見を聞いたことはありません。まあ、グループウェアの特徴は当たり前なので、理由に挙げる必要もないのでしょう。でもやはり、グループウェアの特徴が好きな理由にならないのは変だと思いませんか?そんなことを考えていて気付きました。そもそもNotesはグループウェアでは定義しきれないということを。

グループウェアの成り立ち

グループウェアとは何でしょうか。Wikipediaでは「企業など組織内のコンピュータネットワークを活用した情報共有のためのシステムソフトウェアで、ユーザー同士で情報の交換や共有等の業務に利用される様々な機能を通じて、業務の効率化を目指したもの」とあります。なるほど、全くもってその通りでケチをつけようがありません。では、グループウェアの始まりは何でしょうか?これは1989年に登場したLotus Notesと言われています。当時のPCはスタンドアロンの利用が普通で、インターネットはおろかE-Mailさえ珍しいものでした。つまり、PCは個人で使うためのものであり、文字通りのパーソナルコンピュータでした。これに対してグループ活用のように、繋がることを前提とした使い方は革命的なものでした。そして、このスタンドアロンの対比としてグループウェアは大流行し、企業の働き方にまで大きな影響を与えました。

現在のグループウェア

現在グループウェアと聞いて、どんなイメージを持ちますか。スタンドアロンからネットワークコンピューティングが普及した当時、グループウェアは時代の最先端でした。しかしネットワークが当たり前となった現在は、古臭さまで感じてしまいます。そしてこれこそが「Notes = グループウェア = 古い」と言われる所以かもしれません。

しかし、ちょっと待ってください、前段で「Notes = グループウェア = 好き」が成立しないことを考えると、そもそも「Notes = グループウェア 」の前提が間違っているのではないでしょうか。

Notesの本質はグループウェアではない

確かにNotesはグループウェアの一種で、メール、カレンダー、掲示板などを使って情報共有することができます。しかしそれは、他のソフトエアでも可能な一部の機能であて、Notesの特徴ではありません。まして、グループ活用など当たり前すぎて比較の意味もありません。Notesの本質はグループ活用以外の「開発が容易で便利なアプリが作れる」「多機能で使い易い」「オールインワンで運用が楽」「リッチテキストの表現力がすばらしい」といった、使う人個人が感じる便利さ、心地よさ、生産性の高さではないでしょうか。

Notesは人の為ならず

グループウェアというと、「グループ」つまり、他人のためのツールと考えてしまいがちです。また「次期グループウェア更改検討」といったお題をよく耳にしますが、グループウェアというくくりで検討しても、あまり意味がありません。Notesの本質は、個人が感じる便利さ、心地よさ、生産性の高さなので、自分のためのツールなのです。ところが自分の為に使っても、皆が使えば他人(グループ)のためになるのです。つまり、個人の活用がグループの為になるとは、逆転の発想だと思いませんか。そしてこれこそが「Notesは人の為ならず」であり、Notesの本質の一つだと私は思います。

Don't think, feel!(考えるな、感じろ!)

IBM Think Japan 2018が開催、今年最大のIBMイベントだけあり大盛況でした。「THINK」はIBMが好きな言葉ですよね。ウィキペディアによると、『"THINK"(シンク:「考えろ」の意)は、トーマス・J・ワトソンが、ナショナル・キャッシュレジスター・カンパニー (NCR) の営業・広告本部長だったときに述べた「開闢以来、考えることはあらゆる前進を生み出す源だった。』とあります。つまり、「THINK」はIBMのモットーであり、ノートパソコンにThinkPadと名付けたこともあります。そんな意味深いTHINKですが、私はあえて「Don't think!」と言いたいと思います。

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IBM Think Japan 2018のキーワード

IBM Think Japan 2018の全てのセッションの紹介文をキーワードに分解してカウントしました。2回以上登場したキーワードを表示し、1回のみは「その他に」分類、人工知能はAIにカウントしています。集計の結果「AI」と「クラウド」関連に最も力を注いでいることが読み取れます。

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キーワードがら感じたこと

Notes/Dominoに関連するキーワードは1つもなく残念でしたが、イベントの性格を考えると仕方ないかもしれません。それでも、AI、コグニティブに関連して「IBM Verse」くらいは欲しかったです。ちなみにMicrosoftの類似イベント「de:code 2018」(若干毛色は違いますが)でも、キーワードの傾向はほぼ同じすが、少ないながら「Office365」のキーワードが3つありました。やはり、1つでもNotes/Dominoに関連するキーワードが欲しかったというのが本音です。

 Don't think, feel!(考えるな、感じろ!)

 「Don't think, feel」これはブルース・リーの有名な台詞で、彼の思想を端的に表す言葉です。人間の行動原理は、感情7割、論理3割と言われており、論理がNoでも感情がYesと言えば人は行動します(逆も然り)。これをうまく利用したのがMicrosoftのトップアプローチ戦略ではないでしょうか。「まだNotesで大丈夫?」と不安を煽ると同時に「MSなら明るい未来が開ける!」と感情に訴えます。すると、いくら論理的にはNotesが優位であっても、感情でMSに負けてしまいます。つまり、MSはfeelの使い方がとても上手いのです。それに比べてIBMはThinkに拘るせいで、feelの使い方が下手です。プロモーションで重要なのは「自分がどう考えたではなく、相手がどう感じたか」です。いくら良い製品でも、相手に響かなければ意味がありません。もっと言うと、IBM自身がfeelに鈍感な気がしてなりません。これだけNotes離れが進むなか、ユーザーやベンダーの悲鳴をIBMは真摯に感じてほしい限りです。

Thinkもう一つの意味

Thinkには"考える"の他に、"思う"という意味があります。"考える"というと、堅苦しいイメージですが、"思う"には人間味があります。私の勝手な感覚ですが、最近のIBMは、"思う"に傾いてきているように感じます。Think Japan 2018で基調講演の司会を務めた大西氏は、固いIBMのイメージを壊そうとしているそうです。また、IBM Cloudに関わるセッションでは、Azure、AWSとの比較優位性の説明がありました。これまでのIBMは公の場での他社比較はご法度 でしたが、これは紳士的な考えに囚われていたからでしょう。しかしユーザーに響くのは、ずばり他社比較です。ここにきてIBMがユーザーの感覚に近づいてきたのは大きな変化ではないでしょうか。人を動かすのは「感情」や「思い」です。IBMにはユーザー感覚を重視した戦略の展開を期待したいです。

Notes/Domino V11の意味するもの。それは再始動!

今年はいよいよNotes/Domino V10がリリースされます。と、思っていたら、なんと来年はV11をリリースするという衝撃の発表がされました!これを知った瞬間、私は素直に「やったー!」と歓迎しました。が、私の周りの人達はネガティブな反応のほうが多かったように感じられました。そこで今回は、V11の意味について考えてみました。f:id:majimajikojimajiko:20180502181634p:plain

V11発表のメリットとデメリット

私はV11の発表は嬉しかったのですが、そうでもない意見も多いので、メリデメについてまとめてみました。 

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メリットとしては、最近のNotes/Dominoに欠けていたスピード、話題性の提供により、期待感が高まり活性化に繋がります。一方デメリットは、すぐにV11が出るのであればV10導入意義が薄れ、バージョンアップ市場が鈍化する恐れがあります。こう考えると、現実問題としてはデメリットのほうが影響大と言えそうです。そもそもV10リリース前にV11の発表や、たった1年でのメジャーバージョンアップはどうなのでしょうか。そこで、次はバージョンアップの周期について調べてみました。

メジャーバージョンアップ期間はどれくらいが適当か

下表はNotes/Dominoのバージョンアップの遷移です。30年でV11ですから、平均すると3年に一度程度となります。比較のため、WindowsServerのバージョンアップ遷移を記載しましたが、3~4年程度であることがわかります。単純比較はできませんが、メジャーバージョンアップとなると、3年程度は必要かと思われます。Notes/Dominoはバージョンが上がるほど期間が長くなる傾向にありますが、V10~V11の1年というのは異常に短いです。いったい何を意味しているのでしょうか。

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あのメジャーソフトも、30年でV11!

Notes/Dominoと同様に、約30年かけてV11をリリースした超有名ソフトがあります。それはドラゴンクエストです。下表はタイトル遷移ですが、Notes/Dominoと同様に、後になるほど発表の間隔が長くなる傾向があります。もちろん単純比較はできませんが(ゲームですし…)、後になるほど複雑になり、前作を超えるのが困難になる傾向は同じかもしれません。

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 いよいよNotes/Dominoは再始動期に突入した?!

基本的に、メジャーバージョンアップの周期は3年程度が適当かと思われます。ただ、例外があるとすると、始動期のバージョンアップは安定期より早い傾向があります。NotesはR3までは2年、ドラクエはたったの1年です!画期的なものであるほど、始動時のスピードは速い傾向となり、現在はWatsonがこれに相当します。こう考えると、Notes/DominoV10からV11へのバージョンアップが1年と短いのは、Notes/Dominoは再び始動期に突入したのかもしれません。逆に言うと、それくらい大変革をしないと、劣勢を跳ね返すことはできません。かなり強引な結論ではありますが、Notes/Domino再始動の予感(期待)が、短期間のバージョンアップの本当の意味なのかもしれません。

最適化よりスピード化

Notes/Dominoが敬遠される理由の一つに「DBが乱立して統制が難しく、負の資産になりやすい」というものがあります。確かにNotesはEUC(エンド・ユーザー・コンピューティング)に優れているため、部門などで個別にDBの開発が容易です。これが個別最適として効果を発揮しているうちは良いですが、ニーズの変化に伴うズレをカバーできないと、DBが負の資産と化してしまいます。要約すると「Notes → EUC → 個別最適 → 負の資産化 → デメリット」となります。極論すると「Notes = 個別最適 = デメリット」といった構図が見えてきますが、果たしてこれは正しいのでしょうか。

理想は全体最適だが、、、

個別最適が良いか?と問われると、YesとNoに回答が分かれると思います。一方、全体最適が良いか?と問われれば、全員Yesと答えるでしょう。このため、全体最適を目指すのが理想ですが、これは現実的ではありません。何故なら、最適化とは個別化を前提にしているからです。最適化の最大の目的は生産性ですが、これを実現するには、利便性を極めるカスタマイズが必要となり、個別化につながるからです。こう考えると、全体最適という万能な指標は存在しないのです。全体が対象ならば、標準化通化が優先され、個別の最適性は後回しとなります。しかし、日常業務では最適性はとても重要です。いくら標準化の為とは言え、生産性が落ちては元も子もありません。

システムを評価するとき、様々な指標が考えられます。NotesはEUCに代表される個別最適に優れたツールですが、時代はクラウド化という全体標準にシフトしてきています。この2つの指標は、どちらを優先させるべきなのでしょうか。また、他に優先させる指標はあるのでしょうか。 

スピードこそが究極の指標 

システムを比較するとき、機能、性能、コストなど様々な指標が挙げられますが、究極の指標はスピードではないでしょうか。例えば、70%の機能と性能のシステムでも、スピードが2倍であれば、100%の機能と性能のシステムより優れたものになります。同様に、コストが50%高としても、2倍のスピードを発揮できれば、トータルコストは安くなります。また、先行者利益の観点ではスピードこそが全てです。以上のように、様々な指標の中で最も優先されるのはスピードです。そして、スピードに求められる価値で最も効果的なものは、新しい価値だと思います。それまで無かったもの、新しいことを始めるスピードが究極の指標ではないでしょうか。

Notesと他社クラウド製品をスピードという指標で比較すると

クラウド化のメリットの一つにコストをよく耳にしましたが、最近はあまりコストメリットについて聞かなくなりました。一方、スピードの重要性は加速傾向にあり、この意味でオンプレNotesは不利と言えるでしょう。ただし、スピード化で実現できる範囲を分析すると、必ずしもクラウド化がスピーディとは言えません。それは、クラウド化は、メールや標準的なアプリの実装まではスピーディですが、個別のアプリケーション対応になると一気にスピードダウンするからです。どこまで実現するかを見極めて、トータスピードで比較検討することが重要となります。

スピードが最も遅いNotes移行

数多くのNotes移行に携わり、見聞きした経験から、Notes移行ほどスピードが遅いものはありません。事前検討や移行作業に莫大な時間と費用を費やし、挙句の果てに移行しきれないことがあるからです。さらに、移行できたとしても、スピード化の最大価値である「新しい価値の実現」が乏しい場合があります。折角時間とコストをかけるのであれば、移行というプラスマイナス0の作業ではなく、別の新しいプラスアルファを実現したほうが生産的です。よく「次期グループウェアを比較検討したい」という相談を受けますが、スピードを最優先の指標にしてみてはいかがでしょうか。個別の機能やコストを比較しても、製品毎に大した差はありません。しかしNotesで開発したアプリの置き換えに、莫大な時間がかかるのであれば移行はお勧めできません。スピードの観点から言える代替案は、そのアプリを辞めるか、他パッケージでの置き換えなどによる早期実現しかありません。

Notesはスピーディーか?

かつてNotesが元気だったころは、頻繁に機能改善、バージョンアップを続けることでスピードを実感できました。しかし、近年のNotesはスピードダウンしていると言わざるを得ません。そして、これこそが最大の弱点です。他社製品がスピードを上げて進化を続けても、Notesの動きは緩慢でした。いくら優れた製品であっても、スピードがなければ淘汰されてしまいます。進化論ではありませんが、優れたもの、強いものが生き残るのではなく、変化に対応できるものが生き残るのです。そして変化の対応こそスピードに他なりません。幸いVersion10の発表以来、にわかにNotes周辺が活気づき、スピードアップを実感できるようになりました。是非この実感が本物となり、スピードアップを実現して欲しい限りです。

Notes/Domino10が目指すもの

このブログを立ち上げてから1年になりますが、Notes/Domioを取り巻く環境が大きく変わろうとしています。約1年前、Notes/Dominoはバージョンを9.0.1で固定し、FPで進化を続けるという発表がされましたが、私はこれに強い危機感を抱きました。その理由は、大きな進化が期待できなくなったからです。IBMは違うと言うでしょうが、やはり9.0.1という中途半端なバージョンで、FPを当て続けることに大きな期待が持てません。確かに順調にFPで進化を続けていますが、盛り上がりに欠けると言わざるを得ないでしょう。そんな危機感から、私はブログでの情報発信を通じて、Notes/Dominoプラスアルファの活性化を目指してきました。そして最近は、Notes/Domino10の発表を転機に、再びNotesの熱気を感じるようになってきました!そこで今回は、最近見聞きしたこと、感じたことについて紹介したいと思います。

 Notes/Domino10が目指すもの

大それたタイトルをつけましたが、以下の内容は私個人の意見で、何も保証をするものではありません。ただ、漏れ聞こえてきた方向性や、意見、要望などから目指す先を想像してみました。そして、それは「開発プラットフォームの刷新」だと思います。Notesの一番の強みは?と問われたら「優れた開発プラットフォーム」と答える人も多いと思います。古くから、EUC(エンド・ユーザー・コンピューティング)に優れ、利用者が開発を進めることで、急速に普及を遂げてきました。最近は、アジャイルに代表される、容易な開発性が評価されています。私も、Notesに敵う開発環境は無いと思ってきました。しかしこれは、Notesクライアント用の開発という条件がつきます。一方、Notesに求める強いニーズに、HTML5対応のUI刷新や、モバイル化がありますが、これの対応は不十分に感じられます。ニーズに応えるためにも、Notesクライアント以外に対応した開発プラットフォームの刷新は急務だと思います。

さらに開発プラットフォームの刷新は、若い技術者の獲得にもつながります。私には大学生の息子がいますが、Notesと言っても全く通じません。いまどきの若い人は、何でもネットでダウンロード(しかも無料)して、YouTubeチュートリアルを見て勝手に開発を進めますが、Notesにはこれが壊滅的にありません。これでは新世代の獲得はままならず、Notes技術者の高齢化が進むばかりです。例えば、手軽なダウンロード対応や、若者に馴染みのあるPythonなどを開発言語に加えるのも、Notesの刷新につながるのではないでしょうか。

 長所は短所

「Notes/Domino10が目指すもの」と言いながら「目指して欲しいもの」になってしまいましたが、一番言いたかったのは、「Notesの強みである開発優位性こそが進化の足かせになっている?」ということです。私はNotes技術者を20年以上続けてきましたが、無意識のうちにNotesの長所を絶対だと決めつけてきたかもしれません。もしかしたら、長所は短所(逆も然り)で、全く違う視点にこそ大きな果実がぶら下がっているかもしれません。ちょうどDomino Jam2025が開催されることもありますので、これに参加して新たな発見をすると同時に、Notes/Dominoの進化に貢献していきたいと思います。また皆さんも、Domino Jam2025参加していただけたら幸いです。また、Domino Jam2025登録方法については、ノーツコンソーシアムで詳しく紹介していますので、以下を参照いただければと思います。

https://notescons.gr.jp/home.nsf/blog.xsp?action=openDocument&documentId=E33BA551111CB7F7492581E50030C65F

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希望ではなく確かなこと

以上、希望的観測もりもりで記述してきましたが、確かなこともあります。それは、Notes/Dominoは今後も進化を続けるということです。これはIBMが「決して辞めない、バージョンアップし続ける」と明言しているからです。しかも、Domino Jam2025の対応から見えてくるのは、大胆な進化を目指すということです。Notes/Domino10の発表を聞いたとき、たった一年で何が変わるのか?という不信感もありましたが、10は大きな進化の第一歩のようです。今後も進化を続けるNotes/Dominoに期待しつつ、ブログを続ける決意をした今日この頃でした。

ノーツコンソーシアム天城拡大理事会に参加して

11/23、11/24の2日間に渡って開催された「ノーツコンソーシアム天城拡大理事会」に参加しました。この会はノーツコンソーシアムで毎年開催されるもので、参加者はノーツコンソーシアムの理事、研究会リーダ、IBM Championsに加え、理事からの推薦者とIBM社員などとなります。会の目的は、ノーツコンソーシアム及び、Notes/Dominoに関わる様々なテーマや、今後の活動について討議を行うものです。

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今年のメインテーマは「Notes再始動!」

再始動というと「まるで止まっていたように思われそう」とのコメントもありましたが、ある意味その通りかもしれません。Notes/Dominoは9.0.1のバージョンで固定するという昨年の発表に対して、もう進化を止めると誤解した方も多かったようです。いくらFeature Packで進化を続けると言っても、分かりづらいと思います。かといって、先日発表されたVersion10も手放しでは歓迎されていないようです。「たった1年で重大方針を変えるとは信用ならん」というのがその理由です。いずれにしても、IBMは誤解されない発表をすると同時に、訂正する場合も納得できる説明が求められます。

ただ、何といってもNotes再始動。IBMNotes/Domino 2025 Roadmapとして次期Version10だけでなく、11,12,,14,15(13は避けるらしい)とバージョンアップし、継続的に投資を続けることをコミットしたことは、前向きなメッセージとして大きなインパクトがありました。

HCL社は、iPhone製造のホンハイのようなもの?!

しかし、このような前向きな発表においても「HCL社とパートナシップを組む」という一文に、「HCL社って何?」や「Notes/DominoをHCL社に売却するための序章?」といった誤解や憶測も多く聞かれました。HCL社はインドのソフト開発会社で、IBMだけでなくMSなど多くのプロダクトの開発を請け負っています。つまり、Notes/Dominoは今後もIBMブランドとして企画、販売を続けますが、開発の一部をHCLにアウトソースすることで、開発リソースを確保し、スピーディな対応を目指すものです。例えて言うなら、iPhoneAppleブランドですが、開発は台湾の「鴻海(ホンハイ)」が行っているのと同様です。この例えは理事会の場で聞いたものですが「なるほど、分かりやすい」と納得できました。

どうしてIBMの情報は分かりにくいのだろう?

 チーム討議の中で、情報発信の重要性がクローズアップされました。「Notes/Dominoは製品は良いのにイメージで負けてる」という話を良く聞きます。このイメージで負けるには、①他社からの攻撃②自社のアピール不足の2つの側面あります。IBMのポリシーで他社を攻撃することは御法度なため、①の対応が難しいのは理解できます。 しかし、②も不十分な気がしてなりません。しかも、昨年の9.0.1のバージョン固定の発表や、HCL社との関係の表明など、真意が伝わりにくく、誤解されることが多いです。さらに、IBMのHPから情報を探すのが困難極まりないという意見も多くあります。本当に「どうしてIBMの情報は分かりにくいのだろう?」もしかすると「アメリカ人には理解しやすいのか?」と思うほどです。Notes/Dominoは米国製なので、機能面は米国依存が大きいと思いますが、発表する情報は日本語なので、ここで改善ができるはずです。なので日本IBMさん、分かりやすい情報発信とプロモーションの強化をお願いします!

ノーツコンソーシアムでできること

ノーツコンソーシアムは、Notes/Domino活性化のために、研究会やイベント、情報発信など様々な活動をしています。しかし、地方との温度差、会員メリットの強化、さらなる情報発信など、課題が山積しています。対策としては、地方への情報発信強化、競合他社の誤ったNotes情報に対するカウンター情報の発信や、プロモーション活動の拡大などが検討されました。しかしリソースは限られており、担当者の負荷も相当なものです。今後、来年度の活動にむけて具体的なミッションにブレークダウンされることになると思いますが少し時間がかかります。そこで、直近できることとして、参加者全員がDomino2025JAM』にエントリーすることになりました。

https://www.ibm.com/social-business/us-en/announce/domino-jam2025/

日本とドイツはNotes/Dominoに対する要望が強く、声が届きやすいとも言われています。Domino2025JAMに参加して、今後のNotes/Dominoの未来を創出しましょう!

今月はセミナーで頑張ります!

前回の投稿で「Notes/Dominoに関連する動きが活発化している」と紹介しましたが、私も負けてませんよ!11月は「Notes Festa 2017」と「ノーツコンソーシアムオープンセミナー 2017」で講演をいたします。

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 Notes Festa2017

毎年リコージャパンで開催している「Notes Festa」ですが、今年も11/10(金)に開催します。Notes Festa 2017 / イベント・セミナー | リコ

このセミナーでは、今のNotes環境を活かしながら、より時代のニーズにあった環境と活用方法をご紹介しています。セッションは、「ユーザー視点で考える Notes/Domino」「クラウド活用とセキュリティ対策」「RPAの概要とNotesクライアントを利用したデータ連携」などの紹介をいたします。ちなみに私は、WatsonDACモダナイゼーションをテーマに講演いたします。

そして急遽「Notes/Domino 10を含む将来構想のアナウンスメント」が、最後のセッションに追加されました!急遽ということで、リンクのセミナー情報には無いのですが、Version10発表後、IBMよりNotes/Dominoの将来構想について聞ける、恐らく最も早いイベントです。この機会をお見逃し無いよう、ご来場のほど宜しくお願いいたします。

ノーツコンソーシアムオープンセミナー 2017

こちらも毎年ノーツコンソーシアム主催で開催されているイベントですが、今回のテーマは、「『ノーツでモバイルファースト』 =モバイルなくして働き方改革はない!!」です。

【オープン:申込受付中】ノーツコンソーシアムオープンセミナー 2017 (11/15) | ノーツコンソーシアム

私は、働き研のリーダーとして『今日からできる「働き方改革」-成功へ導く3つの本質的着眼点 』をテーマに講演いたします。働き方改革と言うと「どうせIBMのツールのよいしょでしょ?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。働き研のメンバーが半年を費やして議論や、活動を通した成果となります。そもそも働き方改革って何? なぜするのか? 本当に必要な事は何? そして今日からできる働き方改革についてご紹介いたします。もちろん、Notes/Dominoと働き方改革の関係についても解き明かしてます。一粒で三度、四度くらい美味しい内容となっていますので、こちらも是非ご来場いただけることを心待ちにしています!

 今回の投稿は終始宣伝となってしまいましたが、それだけNotes/Dominoに関連するプロモーションの機会があることを嬉しく思っています。まだまだやること、やれることがあります。It's a Dominomics!